月山クリニック

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整形外科治療への思い

院長に聞く整形外科治療への思い

その方がどうなりたいとお考えなのか?

その方がどうなりたいとお考えなのか?

お一人おひとりのニーズを理解するようにしています

整形外科治療で大切にされていることは?

患者さんがどうなりたいのか、ニーズをきちんと理解した上で治療を行うことです。例えば足が痛い患者さんがおられて、その方がマラソン大会にエントリーしたいということでしたら、状態にもよりますが「4時間を切ることは難しいかもしれませんが、参加できるように頑張ってみましょう」というようにお話しさせて頂きます。

実際にあったのですが、「日常生活上、特に問題ないが足が痛くて長距離が走れない。何とかなりませんか?」とおっしゃる患者さんがおられました。普通の人の感覚なら「日常生活に問題がないなら、良いのでは?」となりますが、その方のニーズは「長距離が走れること」なのです。このように患者さんが求められていることの種類、程度はとても幅広いので、よくお話をお聞きして1つ1つきちんと確認するようにしています。

診断の時に大切にされていることは?

患者さんに正直にお伝えすること、そして経過をきちんと確認することです。お話をお聞きして、実際にお体に触れ、各種検査を行っても確定に至らないケースでは、「現状、この疾患の可能性が高いですが、違う可能性もあります。適切に治療しても効果が得られないようであれば、再検討します」というようにお伝えしています。

例えば胸に痛みがあるような時には、まずは肋骨の骨が折れていないか確認し、骨折でないなら筋性の疾患ではないかと検討し、適切に治療しても改善がみられないようであれば「もしかしかしたら内臓のトラブルではないか?」と考えるなど、治療の経過を1つ1つきちんと診ていくようにしています。

診断に関して印象的に残っている出来事はありますか?

勤務医時代のエピソードとして、こういうことがありました。その患者さんは胸が痛くて近隣の病院を受診し、肋骨骨折と診断されたものの「一向に良くならない」とご相談に来られたのですが、CT検査を行ったところがんが発見されました。

医師、また患者さんが「これに違いない」と思っていても、そうでないことも少なからずあります。だからこそ、治療の経過を確認することが大事なのです。私はお越しになられた患者さんに必ず「どうですか?」「良くなっていますか?」とお聞きするようにしています。治療を行った以上、必ずそれを評価し、仮説や診断に間違いはないか確認しなければいけないからです。

そのため患者さんにも、しっかりご自身のお体の状態を確認して頂き、病気を治すチームの一員として積極的に治療に参加してもらえればと思っています。そして感じたこと、気づいたことをどんどん私たちへ伝えてもらえればと思います。

的確な診断のために何が大事だとお考えですか?

「患者さんの痛みに寄り添う」とよく言われますが、残念ながら寄り添ってもわからないことがあります。患者さんが痛みをお感じになられていることはわかっても、「どういう風に痛むのか?」「どの程度痛むのか?」はその方にしかわからないことです。だから私たちはそれを患者さんにお聞きして、詳しくお話し頂くようにすることが大事だと思っています。

 

治療の効果や満足感についても同じで、今まで杖を突いてご来院されていた患者さんが、杖なしでお越しになられたら「効果があったのだな」と察することができますが、厳密にはそれは患者さんにしかわからないことです。ですので、私たちからもよくお聞きしますが、患者さんの方でもそれを私たちに教えて頂ければと思います。

脊椎を専門とする整形外科医として

脊椎を専門とする整形外科医として

骨粗しょう症の「ストップ・アット・ゼロ」を目指します

特に力を入れられている治療はありますか?

整形外科医として頭の先から爪先まで、整形外科領域全般を診させて頂いていますが、これまで脊椎を専門としてやってきたこともあり、骨粗しょう症の予防に力を入れて取り組んでいます。骨粗しょう症は現在、大きな問題となっていて、国を挙げて対策・予防に取り組んでいますが、私も脊椎を専門とする整形外科医として深く関わっていきたいと思っています。

骨粗しょう症になられている方は、骨が折れてからご相談に来られるケースが多く、今、世界的な標語として「ストップ・アット・ワン」ということが言われています。これは「1つの骨折で止めよう」というものなのですが、私はさらに「ストップ・アット・ゼロ」という考えが重要になるのではないかと考えています。

ストップ・アット・ゼロ。つまり骨折する前から骨粗しょう症の疑いがある患者さんを見つけて、予防に取り組んで頂くようにするということです。骨粗しょう症にはほとんど症状がなく、また予防に取り組んでも「骨が強くなった」などの効果が実感しづらいため、なかなか難しくはあるのですが、本来これが望ましいと思っています。そのため、患者さんとお話しして骨粗しょう症の疑いがある場合には、それをお伝えして、積極的に予防して頂けるように努めています。

そうして予防に取り組まれても、途中でドロップアウトされる方もおられます。それでも、予防のために取り組んだことが上乗せされているので、まったく意味がないとは思っていません。今後もこうしたことを続けていき、ご高齢の方がいつまでのご自分の足で歩き続けられるようにサポートしたいと思っています。

骨粗しょう症のご相談は増えていますか?

まだまだ骨折してからご相談に来られるケースが多いのが現状ですが、その場合でも、まずは骨折の治療を優先させて、ある程度のめどが立ったら骨粗しょう症のお話をして、「今回の骨折は仕方がないですが、2つ目3つ目の骨折を防ぐために、骨折しにくいお体にしていきませんか?」とお伝えするようにしています。

近年、骨粗しょう症の認知度は高まっており、「将来、骨粗しょう症にならないか心配」といってご相談頂くケースも増えています。また、市区町村によって骨粗しょう症の簡易検査を実施しているところもあるので、その検査でリスクを指摘された方がご相談に来られることもあります。

このように骨粗しょう症の認知度の高まりとともに、少しずつではありますが「ストップ・アット・ゼロ」に向かって進みつつあるのではないかと感じています。

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