大阪市住吉区の月山クリニックでは、地域の整形外科として皆様の症状・お悩みに誠実に向き合い、本当の意味での“満足していただける医療”のご提供に努めております。
つらい症状でお困りの方の不安解消の一助になればという思いで、こちらのブログを通じてさまざまな病気のことや治療のことを発信して参ります。
今回は“腱鞘炎とバネ指”についてお話しいたします。
腱と腱鞘(けんしょう)とは?
腱とは、筋肉と骨とを結びつけている繊維性組織のことを言います。
手には主なものだけでも27個の骨があり、これらの骨を動かすことができるのも腱のはたらきがあるおかげです。
腱は腱鞘と呼ばれる組織によって骨から離れないように押さえられており、指を曲げたり伸ばしたりする際には、腱が腱鞘の中を行ったり来たりするようにして移動しています。
腱鞘炎(けんしょうえん)とは?
では、腱鞘炎とはどのような状態を言うのでしょうか?
腱鞘炎は、指の腱鞘が何らかの要因によって硬くなったり厚みを増したりして、腱と腱鞘が擦れ合って炎症が起こる病気です。
腱鞘炎になると痛みや腫れの症状が出ますが、進行すると「バネ指」という症状が出るようになります。
腱鞘炎が起こりやすいのは?
腱鞘炎は、手をよく使うような仕事の方、例えばパソコンを使う作業が多い人や楽器を演奏する人、文字をよく書く人などに起こりやすい病気です。
そのほか女性ホルモンによる影響も考えられており、更年期以降の女性や妊娠・出産期にある女性にもよくみられます。
また、糖尿病がある方や関節リウマチの方、人工透析を受けている方にも起こりやすいと考えられています。
バネ指の症状とは?
腱鞘炎が進行してバネ指になると、腫れのある腱の部分が腱鞘に引っかかることで、スムーズな指の曲げ伸ばしができなくなってしまいます。
指を動かすために強く力を入れるため、腫れた腱の部分が腱鞘を通るときにカクンとはねる「バネ指」の症状が起こります。
腱鞘炎を放置してしまうと、治療をしても関節が固まったまま伸びなくなるケースがあります。
「ただの腱鞘炎だから」と放っておかず、整形外科などを受診し、早めに治療をするようにしましょう。