大阪市住吉区の月山クリニックでは、地域の整形外科として皆様の症状・お悩みに誠実に向き合い、本当の意味での“満足していただける医療”のご提供に努めております。
つらい症状でお困りの方の不安解消の一助になればという思いで、こちらのブログを通じてさまざまな病気のことや治療のことを発信して参ります。
今回は“スポーツによる膝の怪我について”についてお話しいたします。
スポーツによる慢性的な障害
スポーツやトレーニングをすることによって体のある部位に過度な負担をかけると、いわゆる「使い過ぎ症候群」と呼ばれる障害が起きます。
膝にもオーバートレーニングによって起こる慢性障害があり、ジャンプやランニングを長時間くり返すことで痛みが生じます。
それらのケガの重症度は、症状としてあらわれる痛みの程度によって次のように分類されます。
軽症:スポーツの後に痛みが生じるが、プレーに支障はない。
中等症:スポーツの途中と後に痛みが生じるが、プレーに支障はない。
重症:常に痛みが生じており、スポーツをすると痛みが増すのでプレーに支障がある。
最重症:腱や靭帯に部分断裂または完全断裂が生じており、日常生活に支障がある。
スポーツによる膝のケガとそれぞれの原因は?
腱や靭帯が骨に停止する部分では、筋肉のはたらきによる負担が集中しやすいため、組織に小さな損傷が起こり、「ジャンパー膝」と呼ばれる膝蓋腱炎(しつがいけんえん)や大腿四頭筋腱付着部炎(だいたいしとうきんけんふちゃくぶえん)、鵞足炎(がそくえん)を発症します。
また、靭帯が骨のすぐ上を通る部分では、膝を曲げたり伸ばしたりすることで靭帯と骨に摩擦が生じ、炎症が起こることで「ランナー膝」と呼ばれる腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)を発症します。
そのほか運動をする人の問題として、筋力が不足している、またはアンバランスであることや、体の柔軟性が足りていないこと、骨の成長と筋の伸びが不均衡であること、骨格の異常などがあり、環境の問題としては、オーバートレーニングや選手の体力及び技術に合わない練習の内容、練習場が硬過ぎるもしくは軟らか過ぎる、靴が適切でないことなどが考えられます。
慢性的な障害を発症しても軽症・中等症であればスポーツを続けることができますので、早めに整形外科を受診し、症状を悪化させないよう膝の調子を整えることが大切です。
また、運動前の十分なストレッチや運動後のアイシング、貼り薬、塗り薬などを適切に用いて、ケガを予防するようにしましょう。